なんといいますか、実に2ヶ月ぶりの日記。いや、ちょっと個人的にいろいろありまして、どうにも仕事だけで手一杯なカンジになってしまいました。ええ、基本的にルーズな人間でもありますし。いちど途切れるとどうにもとっかかりが・・・。スリーデイズプリーストでありました。申し訳ない。
そうそう、プリーストといえばわが精神の伝道師Judas Priestの新譜が出ましたね。ロブが戻ってきて15年。ティム"リッパー"オーウェンスは、ただロブの代理というに留まらず、Judasのあらたな地平を切り開いたと思います。彼らを取り巻く環境、グレンのソングライターとしての壁、偉大な前任者の後継、その様な決して順風満帆とはいえない中、彼のライブアクト、パフォーマンス、潜在能力とそれを生かしきるための努力。素晴らしいヴォーカリストでした。彼を生かしきれないもどかしに身をよじった記憶があります。JugulatorはともかくDemolitionは良いアルバムだったと思います。これはこれで、非常に今後が楽しみな姿でした。
しかし、バンドは選択しました。ロブの復帰を。今回の新譜を聞き込むにつけ、やはり魔法はまだ確実に生きているな、と素直に感じられます。これがケミストリーなのだと。中学のとき以来20年近く惚れ込んで来たバンドの現在。まだそれに酔える自分が嬉しいです。楽曲に多少の頭打ち感があり、ライブパフォーマンスにも、とくにロブの喉に不安を感じないではありません。Painkillerや、HalfordのResurrectionに初めて針を落とした時(古い表現ね)のアタマをハンマーでぶん殴られた時の様な感覚は正直ありませんでした。特にResurrectionを近所のレコード屋で視聴した時、ヘッドフォンをセットしてプレイボタンを押した時の感覚は忘れられません。永らくヘヴィメタルから遠ざかっていたロブの、世界を引き裂くようなハイトーンヴォイスから始まる1曲目を聞いた瞬間、目の前の景色が歪むような、体中の力が抜けてその場に倒れこむような、しかし背骨に鋼鉄の刃を突っ込まれて、強制的に立たされているような、何とも表現しにくい感覚に襲われたものです。残念な事に、今回の新譜にそこまでのモノを感じる事は出来ませんでしたが、それでも、オリジナルメンバーによる、彼らにしかなし得ない境地に間違いなく到達しているアルバムです。変化や抑揚にはやや欠けるがどこまでも骨太でストレートな楽曲群。ロブの哲学的な詩は健在です。二曲目のDeal with the Devilが、実にこうMaid in Hell的というか、Jawbreaker的で嬉しかったりします。もう一つ突き抜けたモノを期待したかったのですが、それでも最後のLochnessはJudas史に残る名パワーバラードでしょう。途中に入るちょっとしたシンセサイズドギターにかつてのTurboやRam it Downの表情をうかがい知れるあたりも興味深いです。この曲の持つ圧倒的な世界観、まさにJudasの世界に打ちのめされました。
5・18武道館ライブのチケットを押さえるべく師匠と手分けしてパワーロックトゥデイの先行予約に成功するも、この番組が押さえていた2500枚が30分足らずで完売という事実に驚き、オリコン8位という、昨今のメタルバンドにしては破竹の勢いを誇る今回の新譜。Iron Maidenの影に隠れがちだった本邦での人気はここに来て一気にその頂点に達したといっても過言ではないのかもしれません。
好きなものがある事、有り続ける事、そしてなお現在においてもそれが自分と地続きである事。とてつもない幸福だと思います。彼らの曲をきく幸せ。彼らと同じ時間を共有し、それを生で、この目で、この耳で体感できる喜び。ヘヴィメタル・ハードロックを好きでい続けて良かったと心から感じます。
頑張ってまいりますよ、俺も。50過ぎの初老といって差し支えないこの男達の生き様をみせられては頑張らないわけには行きませんって。